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◆日本を守る沖縄の戦い（アイバス出版）我那覇真子著 ◇日本を守る沖縄の戦いの為、信念を貫いたいたカウンタースピーチ − 2015年9月22日国連人権理事会（ジュネーブ） 知事に就任した翁長氏は、公約実施の圧力を受ける立場となりました。支持した勢力は、知事の迅速な行動を期待しますが、それは無理というものです。何故なら氏にはその手段が無いからです。 移設の実現に不可欠であった埋め立て承認はあくまでも法律にのっとったものであるので、これを無理に取り消すと今度は知事の側が法的な追及を受けることになります。 そこで現在は、その承認そのものに瑕疵があったとする戦術になっていますが、これを検証した第三者委員会とその検証報告がどうしようもなく、貧弱でずさんなものにならざるを得ない為、当否は見えています。 次に打てる手には、移設の是非を問う県民投票がありますが、実はこれは大きなリスクをともないます。万が一負けようものなら全ての根拠を失うことになります。圧倒的勝利以外には、行う価値がありません。選挙を制した知事選だって実質的な差は三万票余りなのです。これでは、県民総意を騙れません。 後、細々とした時間稼ぎ的な嫌がらせをしていますが、これは支持者向けのパフォーマンスです。そこで次に打った手が国連工作です。NGO市民外交センターの提供する枠を使っての工作です。 私達もNGOが提供して下さった枠を活用させて頂きました。もし私達の行ったカウンタースピーチが国益に資するものであるなら、このNGOも又その存在を称えられるべきでしょう。改めて感謝申し上げます。 私の行ったカウンタースピーチは単刀直入なものでした。この時期の国連人権理事会は、難民問題で大混乱し、余裕のあるスピーチをできた者はいなかったと思います。ごくごく短時間で要点をまとめアピールしなければなりませんでした。ダイレクトな表現、例えばプロパガンダ等、そういう直截なものにならぎるを得なかったのがもしかしたら良かったのかもしれません。 国連人権理事会が私や翁長氏その他のスピーカーに与えた時間は各々二分間でした。その直前まで割り当てられる時間さえもはっきりと分からない混乱にあったのです。 私は発音に気を付けながら一気にまくしたてるようにスピーチを行いました。その間も周りの私に向ける注意、視線を感じていました。それもそのはず、国連の人権理事会の場で人権弾圧大国中国を名指しで批判し、県知事翁長氏の訴える沖縄問題の裏には、中国の工作があると一般県民を代表して発言したのですから。 この会場で何度も翁長知事とすれ違ったのですが、氏は憮然とした表情をするばかりで私の顔を一度も見ようとしませんでした。 それとは反対に会場の反応はとてもいいものがありました。私が席を立ち、退場する時会場内の各国代表の方々が私に賛意を示すサインを見せてくれたのです。軽く手を挙げ振ってくれたり、ウインクしたり、微笑んでくれたり、大きく頷くしぐさで私のスピーチに応えてくれました。シノフォビアのお蔭でしょうか。ともかく本当に嬉しい気持ちになりました。（※編集部注【シノフォビア＝Sinophobiabia】別名 中国恐怖症「シノ＝中国」「フォビア＝嫌悪」で、直訳すると「中国嫌悪」。中国を恐れること、または嫌悪することを意味する語） 私にとって、日本を守る為の沖縄の戦いとして、信念を貫き、「絶対に成し遂げなければならない任務」である、国連人権理事会における沖縄県知事・翁長雄志氏へのカウンタースピーチを次ページ以降に紹介いたします。あわせて、この様子の報道記事であるP11の産経新聞記事拡大版もP237に再掲いたします。 「翁長雄志氏のスピーチ」「私のカンタースピーチ」そして予定されていた「沖縄県石垣市議・砥板芳行氏のスピーチ予定稿」と続けてお読みになられることにより、本書の冒頭にも述べさせて頂きましたことも含め、全体像が明確になるのではと考えております。  P.11 ◇国連人権理事会における沖縄県知事・翁長雄志氏スピーチ関連 【翁長雄志知事演説：英文】 タイトル Oral Statement at the United Nations Human Rights Council by the governor of Okinawa Thank you Mr．Chair． I am Takeshi Onaga，governor of Okinawa Prefecture，Japan. I would like the world to pay attention to Henoko where Okinawans, right to self-determination is being neglected. After World War 2，the U.S. Military took our land byforce, and constructed military bases in Okinawa. We have neve rprovided our land willingly. Okinawa covers only 0.6% of Japan. However, 73.8% of U.S exclusive bases in Japan exist in Okinawa. 0ver the past seventy years，U.S. bases have caused many incidents, accidents, and environmental problems in Okinawa. Our right to self-determination and human rights have been neglected. Can a country share values such as freedom, equality, human ights, and democracy with other nations when that country cannot guarantee those values for its own people? Now, the Japanese government is about to go ahead with a new base construction at Henoko by reclaiming our beautiful ocean ignoring the people's will expressed in all Okinawan elections last year. I am determined to stop the new base construction using every possible and legitimate means. Thank you very much for this chance to talk here today. 【翁長雄志知事演説：翻訳】 議長、ありがとうございます。日本の沖縄県の知事、翁長雄志です。 私は、沖縄の自己決定権がないがしろ（neglect）にされている辺野古の現状を、世界の方々にお伝えするために参りました。 沖縄県内の米軍基地は、第2次大戦後、米軍に強制的に接収され、建設されたものです。私たちが自ら進んで提供した土地は全くありません。 沖縄の面積は日本の国土のわずか0.6％ですが、在日米軍専用施設の73.8％が沖縄に集中しています。戦後70年間、沖縄の米軍基地は、事件、事故、環境問題の温床となってきました。私たちの自己決定権や人権が顧みられることはありませんでした。 自国民の自由、平等、人権、民主主義も保証できない国が、どうして世界の国々とこうした価値観を共有できると言えるのでしょうか。 日本政府は、昨年、沖縄で行われた全ての選挙で示された民意を無視して、今まさに辺野古の美しい海を埋め立て、新基地建設を進めようとしています。 私は、考えられうる限りのあらゆる合法的な手段を使って、辺野古新基地建設を阻止する決意です。 今日はこのようにお話しする場を与えて頂き、まことにありがとうございました。 【我那覇真子演説：英文】 英文タイトル There Actually Is No Such Thing as a Ryukyu Minority That is Being Discriminated Against: 副題 Demagoguery and Propaganda Must Not Continue to Thrive in International Society in the 21st Century Masako Ganaha Yesterday, you heard that the people of Okimawa Prefecture, which is actually an integral part of Japan, are a discriminated minority, oppreed by the Japanese government and U.S. military. Nothing could be further from the trutt! I was born and raised in Okinawa. As a part of Japan, we enjoy the highest standards of human rights, quality of education, welfare, health, and living. And China, a threat to the security of the region and to Japan, as well as human rights in general, is promoting an independence movement in Okinawa by having elected officials and their supporters say we are an indigenousm inority. We are not. Please do not believe the propaganda. I brought with me a message from a member of the Ishigaki City Council, Mr. TOITA Yoshiyuki, who writes, "Our current governor is irresponsibly ignoring the role the U.S. bases play in the security of Japan and the Asia-Pacific Region. He is misrepresenting the situation. It is important that he and every one at the UN recognize the serious challenges in the East China and South China Seas presented by China." Thank you. 【我那覇真子演説：翻訳】 昨日皆様は、沖縄は紛れもない日本の一部であるにも関わらず、「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」とお聞きになられたと思います。 それは全くの見当違いです。 私は、沖縄生まれの沖縄育ちですが、日本の一部として私達は世界最高水準の人権と質の高い教育、福祉、医療、生活を享受しています。人権問題全般もそうですが、日本とその地域への安全保障に対する脅威である中国が、選挙で選ばれた公人やその支援者に「自分達は先住少数民族である」と述べさせ沖縄の独立運動を煽動しているのです。 我々沖縄県民は先住少数民族ではありません。 どうかプロパガンダ（政治宣伝）を信じないでください。 石垣市議会議員の砥板芳行氏からのメッセージです。 「沖縄県の現知事は無責任にも日本とアジア太平洋地域の安全保障におけるアメリカ軍基地の役割を無視しています。翁長知事はこの状況を捻じ曲げて伝えています。中国が東シナ海と南シナ海でみせている深刻な挑戦行為を知事と国連の皆様が認識をすることが重要です」 ありがとうございます。 【砥板芳行石垣市議会議員 予定演説】 タイトル Okinawa's Role as a Contributor to Peace and Stability in East Asia and the Western Pacific. Yoshiyuki Toita I am a member of the City Council from Ishigaki Island, Okinawa Prefecture, Japan. My city's administrative area includes the Senkaku Islands in the East China Sea．Our fishermen, who have been fishing there since times long ago, are being threatened by China's advances into our waters. The current governor of Okinawa Prefecture has recently spoken here that the rights of our people in the prefecture are being suppressed by the U.S. base relocation issue, but in fact this is a domestic issue being handled administratively, 1egally, and politically. He made his remarks without any reference to the Senkaku Islands issue in particular or the security of the East China and South China Seas regionin general, which will have a great effect on the peace and stability of East Asia and the Western Pacific. Many of the residents of Okinawa Prefecture possess their own unique history and culture, but are also very proud to be Japanese as well. ． Thank you. 【砥板芳行石垣市議会議員予定演説：翻訳】 私は日本の沖縄県石垣島から来た市議会議員です。 私の市のエリアにある東シナ海の尖閣諸島では、中国の進出で昔から漁業をして来た漁業者が苦しめられています。現在の沖縄県知事がこの場所で沖縄の米軍基地の移設問題で、沖縄の先住民族の権利を侵害していると発言しましたが、この間題は日本国内の問題であり、尖閣諸島などの東シナ海や南シナ海で起きている事などの安全保障を前提としない発言は、東アジア、西太平洋の平和と安定を損なうものである。 多くの沖縄の住民は独自の歴史と文化を持っているが、日本人であるという誇りも持っています。 ありがとうございます。 ところで、前ページまでのような熾烈な戦いであるスピーチに臨んだ時、私が着ていたジャケットは借り物でした。冒頭にお話しした国連に何を着てゆこうかと悩んだ末に決めたスーツは、旅行鞄に丸ごと入れ忘れ、気づいたのはスピーチ前日の晩でした。 びっくりしましたが、これ位の事でパニックになる私ではありません。翌日市内で買い求めようとしたのですが、同行の方が時間が無いから私ので済ませなさいと言って下さったので、御親切に甘えることにし、着用させて頂きました。その方は、スピーチする私を見て自分のジャケットも頑張っていると喜んでおられたそうで、不注意によるものでしたが、それが又私には嬉しい思い出になりました。本当にありがとうございました。 私達のカウンタースピーチの効用それは、見方によって大きな評価になるかもしれません。まず理事会の場で反対の対立する意見が出された事によって、理事会は自動的にその当否の調査に入るのだそうです。これはつまり、一国連が日本政府に勧告が出せなくなることを意味します。翁長一派の目論みである偽りの沖縄差別、米軍基地押し付けによる人権侵害は、国連に通用しないものとなりました。国連を利用しての偽りの日本断罪が国際社会の場で不発に終わったのです。 これが額面通りなら私達チームは日本国家を更なる汚名から救った事になり全員勲章ものです。  P.237 ◇facebook ［日本を守る沖縄の戦い］ ◇リンク ［沖縄の危機：高江］ |